フクジュソウ (キンポウゲ科フクジュソウ属)【福寿草】
(学名:Adonis ramosa)
いわゆる、「スプリング・エフェメラル」の代表で、雪解けと同時に初春一番で咲くので「元日草」の名も。
一面の枯野原の中に鮮やかな黄色の花はたいへんよく目立ち、数少ない昆虫たちも皆寄ってくるでしょう。
昆虫だけでなく、人間も大勢寄ってくるので、各地の名所はどこも賑わうようです。
園芸種としても、江戸時代からの古典園芸植物なので品種改良もかなり進んでいるようです。
紅い花を咲かせる「秩父紅」は有名です。
キンポウゲ科の常で有毒なので、新芽の季節に誤食事故もたまに起きているようです。
従来、日本のフクジュソウは、種としては1種類と考えられていました。
ところが近年、研究が進み分類が見直された結果、日本のフクジュソウは4種から成っていることが判明しました。
すなわち、
「フクジュソウ」(Adonis ramosa)
「ミチノクフクジュソウ」(Adonis multiflola)
「キタミフクジュソウ」(Adonis amurensis)
「シコクフクジュソウ」(Adonis shikokuensis)
の4種です。
学名から判るように、これは品種や変種ではなく、別種として扱われています。
このうち、「キタミ」「シコク」は地域限定ですが、「ミチノク」は東北限定ではなく、本州全域と九州分布となります。
これからはフクジュソウを見る時に園芸品種ということを別としても、「ミチノクフクジュソウ」の見分けが必要になるようです。