シュラフの適応温度


 スリーピングバックのカタログを見て、誰でも疑問に思うのが適用温度の意味だ。
例えば、最低温度マイナス10度とあったとき、その温度で暖かく眠れるということなのか、それとも死にはし ないだろうというのか。
実は、適用温度表示について各メーカー間に普遍的な統一規格はまだ存在しない。
従って、同じメーカーの違う機種を比較するのには参考になるが、違うメーカーの異なる機種を比較する事 は難しい。
あくまで目安のひとつと考えるべきである。

 主観的な暖かさというものは常に変化し、外気温はその要素のひとつにすぎない。
風や湿度はもちろんのこと、使う人間の体調や個人差で大きく違うものである。
むしろ、その違いの方が多少の表示温度の高低よりも大きいのだ。

マイナス20度表示の一流ブランドの羽毛製品で、秋のオートキャンプ場で寒くて眠れなかったと、ショッ プに文句を言って来た極端な人だっている。
従って、細かい表示温度にこだわるよりも、実際の中わた量(羽毛量)や縫製方法をしっかりチェックしたい。
そしてできれば自分のことを知るフィールド経験者のアドバイスを受けたい。

 スリーシーズン向けという表示は冬を除く春、夏、秋に使えるという意味で、オールシーズン用というの は冬用ではないけれど冬でも何とか使えるよ、ぐらいのニュアンスである。
こういった表示は、温度よりさらにアバウトな感覚なので、初心者でよく分からない人は専門ショップで具 体的に使う場所や季節を告げて相談したほうが良い。
その際、自分で使いそうな範囲のうちで、一番条件の厳しい(寒い)と思われるシーンに合わせておくのが基本だろう。

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