クロカンスキーとアルペンスキー


初心者の人にとって、クロカンスキー板は普通のアルペンスキーと一体どう違うのか、判りにくいと思う。
勿論、実物を見たことがあれば、太さや重量がずいぶん違うのは判るかと思うが、 知識として知っておきたいのは、クロカンとテレマーク、アルペンの板の基本的な『特性』の違い。

クロカンの板は細くてエッジがなく、ダウンヒル・テレマークは幾分太めでエッジがあるというだけでなく、 板の持つ特性そのものが違って作られている。
その意味でダウンヒル・テレマークはアルペンスキーにより近いものなのだ。

走る・歩く、が基本のクロカンは、歩いたり走ったりしやすいように滑り止めのステップ加工がしてあるか、 又は滑り止めワックスを塗って使う。
この滑り止めをほどこす部分を『キックゾーン』といい、両足で板に乗ったとき、板の中央部がごくわずかに雪面より浮いた状態 になっている。
そして片足に全体重がかかったとき、または片足で強く蹴った場合に滑り止めが雪面にグリップするようになっているのだ。
このような特性に作られた板を『ダブルキャンバー』といい、クロスカントリーの板と一部バックカントリーテレマーク板が これに該当する。

対してアルペンスキーのように板に乗ったときに両足とも雪面にフラットに接地する特性の板を『シングルキャンバー』といい、 ダウンヒルタイプの多くのテレマークはこのようになっている。
おおむね『ダブルキャンバー』は軽快に歩行しやすく、『シングルキャンバー』はダウンヒルでターンがしやすいものと理解してかまわない。

クロカンの板のサイズを選ぶときには、身長もさることながら、体重が重要な要素になる。
その理由は『キックゾーン』の接地の具合が、体重によって変わって来るからである。
例えば身長が高くてもその割りに体重の少ない人が長すぎる板に乗れば、 キックゾーンの滑り止めが有効に接地せず空回りしてしまう。
逆に体重の重い人が短すぎる板に乗れば、キックゾーンが常に過剰に接地して軽快な歩行ができないことになる。

クロカン、バックカントリーを選ぶ際は、身長以上に体重も考慮しなくてはならない。

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