ネイチャースキーとは?


 最近数年前あたりから、「ネイチャースキー」という言葉をよく見聞きするようになった。
興味はあるけれど、一体どういうスキーのことで、クロカンやテレマークとどう違うのかよく判らないという人は多いだろう。
 「ネイチャースキー」とは、新しい言葉だが、決して新しい用具や規格の事を指す訳ではなく、 スキーを使って自然に親しむ遊び方の漠然とした概念を表している。

 今までクロスカントリースキーというと、競技のイメージが強く、テレマークスキーというとテレマークターンの技術が 話題の中心になる傾向が多かったのだが、そのような技術的なジャンル分けにこだわらず、 使い易いスキーを使って自分に合ったやり方で雪の自然を楽しもうということで、 今までの観念に囚われないためにできた言葉なのだ。
 だから、自分で一番使い易い用具を使えば構わないのだが、従来のくくりで言えば、 「バックカントリー・テレマーク」とか、「クロカン・ヘビーツーリング」といったところが一番適した用具と言えるだろう。
 また、「ネイチャースキー」のためのスキー用具として提案されているのが、 軽く短いアルペンの板にステップソール加工を施したもので、クロカンよりも安定感があり、取り回しが楽ということで使われている。
ただし、あくまで歩くための板として考え、滑降性能云々はあまり問うてはいない。
これにヘビーツーリング用のクロカンシューズや軽くソフトなテレマークシューズを組み合わせて使う。
クロカンでちょっとした下りで怖い目にあった人にはありがたさが判るだろう。

 いずれにしても、「ネイチャースキー」は道具にこだわるよりも、フィールドの自然とどう親しむかにこだわるものだから、 テレマークやクロカンを持っている人は「滑る」ことそのものや「目的地」から一時離れて、 静かな雪の森を無心に彷徨ってみるのも良いのでは。

それが、「ネイチャースキー」である。

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