雨具はゴアテックス?


 現在、ゴアテックスを代表とする、様々な透湿性防水素材の雨具が多くのメーカーから発表されていて、 高い機能性が手軽に手に入るようになっている。

 透湿性防水素材の特徴は、高い防水性を保ちつつ、蒸れを発散させることにある。
外からの水は通さず、中からの水は通すと思っている人も多いが、そのような一方通行的な機能があるわけではない。
正確には、水蒸気分圧の高いほうから低い方へと、水蒸気が移動するだけである。
また、単なるナイロンなどより蒸れないと思っている人もいるが、 あくまで防水素材としては蒸れにくいということであり、当然無防水の生地よりは蒸れることもある。
 透湿素材も、その透湿度には限度があるわけだから、大量に汗をかくなどして、 一気に衣服内の湿度が飽和状態になったとき、透過しきれない水分が内側に結露してしまうこともあるのだ。
だからなるべく、原因となる発汗などを押さえる調節が必要だ。
また、下着からシャツまで全て吸水率のほとんどない化繊系の素材でかためてしまっている場合には、 非常に速やかにウェアーを通過してきた水分が一気にやってくるため、ゴアなどの透湿膜も処理しきれないことがよく起こる。
場合によってはウールや天然繊維の混紡素材などの層を間に入れてやることで、湿度の緩衝ゾーンとなり快適な場合もある。

 ゴアテックスなどの高機能透湿防水素材の雨具は、単に雨具として見れば決して安いものとはいえないが、 防水・防風・防寒と、フィールドのあらゆるシーンで使えるアウターウェアーといえるので、 単なるカッパではなく、その機能性を本気で使いこなすつもりであれば決して高い買い物とはならないはずである。
 トレッキング入門者は、見栄えのするパーカやジャケットに目を向ける前に、 まず作りの良いゴアのレインスーツを手に入れるとよいだろう。
ライトトレッキングであれば、これさえあれば他のアウターウェアはなくてもいいといえるぐらいである。

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