若御子断層洞

(わかみこだんそうどう)
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埼玉県秩父市 (深さ10数mくらい?)
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秩父の橋立鍾乳洞に行った帰りに近辺の札所などを散策して、付近にある「若御子断層洞」というのを見物してきました。
鍾乳洞ではありませんが、断層面の破砕帯によって生じた小さな洞窟ということで、県の天然記念物となっています。
このあたりにある「日野断層群」の一部で、断層の境目にある破砕された岩石が地下水などで流れだして空洞ができたと考えられています。

秩父札所巡りのひとつともなっている清雲寺というお寺の裏手に有る、若御子神社の裏山の薄暗い杉林の中にひっそりとあり、やや不気味な雰囲気。
入口は大きく、すぐに断層面が出ていて奥行き1-2mしかないのですが、ライトで照らしてよく見ると、脇の奥の方に真っ赤に錆びた鉄バシゴが。
独りなのでかなり不気味ですが意を決してハシゴにとりついてみます。

2-3mぐらいの一段上に恐る恐る登って、ライトで覗き込むと目の前にぶら下がる5-6匹のコウモリ。
ライトを感じて眼を開けたコウモリと眼が合ってしまいました。
一瞬後に、彼らは狭い穴の中を一斉に飛び立ち、バサバサバサと飛び回って出て行きました。
思わずハシゴから落ちそうになりました(^^;;

気を取り直して、しゃがんで通れる高さの曲がった穴をさらに2mぐらい行くと、狭い穴が開いていて、入れないように鉄棒が打ち込んでありました。
その向こうの暗闇のずっと下の方からかすかに水滴の音が響きます。
外の看板によると、この向こうは深さ10m以上の縦穴のようです。
だんだん怖くなってきて、慌てて脱出してきました。

白く滑らかな石灰岩の鍾乳洞と違い、風化したチャートの赤茶の岩肌にカビが白く浮かんで何とも陰惨な雰囲気なのでした。

子供の頃によくやった、赤土の防空壕探検を思い出しました。
しかし、あのコウモリにはさぞ迷惑だったでしょう。
悪いことをしました(^^;

断層洞入り口。このあたりの地質見学のコースにもなっているらしい
このあたりの地質見学のコースにもなっているらしい

秩父札所の清雲寺の裏手にある
秩父札所の清雲寺の裏手にある

洞口からすぐに、断層面が露出している。 断層鏡面が目の前に見られるのが天然記念物の所以か。
洞口からすぐに、断層面が露出している。
断層鏡面が目の前に見られるのが天然記念物の所以か。

何故か放置されたハシゴがあったので上がってみる。 岩面がカビだらけで陰惨な雰囲気。
何故か放置されたハシゴがあったので上がってみる。
岩面がカビだらけで陰惨な雰囲気。

ハシゴで一段登ると、竪穴の入り口が。 奥は暗くて見えないが、はるか下の方で水滴の音。不気味。
ハシゴで一段登ると、竪穴の入り口が。
奥は暗くて見えないが、はるか下の方で水滴の音。不気味。

ジオパーク秩父

waka6