The Meditation(平河出版)

The Meditation

創刊号:1977年秋季号。

これは全然ジャンル違いの雑誌だが、当時たいへん好きだったので掲載してしまう。
「メンタル・アドベンチャー・マガジン」というくらいで、内的な冒険・探検というテーマでもあるので(?)。

見ての通り、横尾忠則氏の表紙、あの桐山靖雄氏の本を出してる平河出版と、精神世界ファンご用達のマニアックな雑誌だ。
瞑想、密教、占星術、トリップ、武道、博物学、カバラ、音楽など、その手の記事と情報が盛りだくさんで、 独自の世界をかもし出している。
とはいえ、この手の雑誌としてはメジャーで、執筆者も横尾忠則氏をはじめ、池田満寿夫、辻村じゅざぶろう、冨田勲、ジョージ秋山、 光瀬龍、及川正通などの各氏が出ている。

本の装丁や構成には明らかに松岡正剛氏のかかわりが感じられるような作りである。

日本中を震撼させる大事件を起こして刑務所に入ってしまった、「例のおっさん」もきっとファンだったんだろうなあ。

ワンデルング  (岳洋社)

ワンデルング

創刊号:1983年4月号。

大阪の出版社による、関西地方のハイキング専門誌。

「岳人」をそのまま関西専門に作ったような内容構成と体裁で、祝創刊のコーナーに中部・北陸・関西の各県岳連が名を連ねています。

ハイキング中心とはいえ、関西の岩場の紹介や山スキーの記事など、むしろ総合山岳誌といえるかもしれません。
関西の山は知らないので、選択の「しぶさ」とかは判りませんが、地域情報に徹した作りはたいへん役に立つだろうと思います。

東京でも大きな書店でたまたま見つけただけなので、どれくらい続いていたのか、または今も続いているのか判りません。

ワイルドビュー (双葉社)

ワイルドビュー

創刊号:1977年12月号。

野性派アウトドア・マガジンといううたい文句でデビューしたアドベンチャー系アウトドア誌。

短期間しか続かなかったようだが、内容的にはOutdoorとBe-Palと探検倶楽部を混ぜたような感じでけっこう面白かった。
カラー・グラフ特集で、慶良間の海・石垣、西表のジャングル、渓流などを取材した「沖縄ワイルドハンティング」。
その他、阿仁マタギ、流氷下ダイビング、アラスカのブラウンベア、有名人のワイルドクッキングなど、盛りだくさん。

こういう、あまり知られず消えていった面白い雑誌も、他にもまだまだあったんでしょうね。

アニマ  (平凡社)

アニマ

創刊号:1973年4月号

平凡社の動物専門誌・アニマの創刊号。

これは、アウトドアではなく動物雑誌だがとても思い出深いのでアウトドア関連ということで取り上げた。

竹田津実氏のキタキツネの写真の表紙が素晴らしい。
また、創刊号の特集も竹田津氏によるキタキツネの記録だ。
連載として始まった、中西悟堂氏の「愛鳥自伝」は貴重な文章である。
また、途中連載された、手塚治虫氏のマンガ「動物つれづれ草」なども今となっては貴重な連載だった。
各回、掘り下げた特集テーマがあり、たいへん内容の濃い雑誌だった。

創刊から数年に間は、完全会員制の雑誌で、書店での一般販売は一切していなかったから、 この創刊号はけっこう貴重ではないだろうか。

フィールド ギア (徳間書店)

フィールド ギア - 徳間書店 -
創刊号:1993年5月号。

フィールドギア 創刊号

徳間書店の「RVマガジン」から独立して新創刊した、キャンプとアウトドアのグッズ・マガジン。

グッズ・マガジンと言いきっているだけあって、お座なりなカタログページではなく、編集部自前の徹底したフィールドテストやインプレッションにこだわった記事が新鮮でとても濃い情報として価値がある。
取材には相当な手間がかかったことだろう。

オートキャンプ全盛期には、異常に濃くて細かいオートキャンプグッズ情報が満載で、読むのがイヤになるくらいの情報量だった。

ところが、いつの間にかメインがパソコンやビデオやカメラなどの「非フィールド」のグッズに移ってしまい、 何の雑誌だか、よく判らない状態になってしまった。

ポカラ (ポカラ出版)

ポカラ -(ポカラ出版)山と渓谷社-
創刊号:1996年秋・冬号。

ポカラ 創刊号

冒険と旅をテーマに、それに関わる「人」に主な焦点をあてて構成される「人間ドラマ誌」。

昔あった、「現代の冒険」の復活ともいえる、ビジュアル系、カタログ的アウトドア誌の対極にある雑誌だ。

創刊号の特集は、関野吉晴氏のグレートジャーニー、浅井慎平氏+池内紀氏+椎名誠氏の座談会、 ヒマラヤ越えのアネハヅルの話、中国の野人、地平線会議の歴史など、幅広い探検家・冒険家ご用達のような内容構成で、とても地味だが内容の濃い雑誌である。

販売元は初めは「山と渓谷社」だが、途中から「星雲社」に替わっている。

こういう雑誌が地道に永く続いて欲しいものであったが2001年ごろ休刊。

探検倶楽部 (青人社)

探検倶楽部 – 青人社 –
創刊号:1995年7月号。

探検倶楽部 創刊号

青人社の「おとこの遊び専科」別冊となっている、ちょっと他になかったタイプのアウトドア誌。

海、山、カヌー、自転車、郊外を問わず、探検・冒険に関する記事がやや脈絡なく並ぶ、期待の怪作雑誌?

インタビュー記事にしても、立松和平やローリー・イネステーラーなどは当然だが、みうらじゅんとか高田万由子とかは普通出てこない人でしょう。
この、ややごった煮風の、何でもあり風の内容と、他の大手OD誌と比べてやや安っぽい怪しい感じがとてもいい味を出していた。

猫仙人も登場したことがあり、先行きに大いなる期待と不安を感じさせる雑誌だったが、残念ながら数号にして不安が現実になってしまいました。

その後。だいぶたってから、山と溪谷増刊ということで「探険倶楽部 AGAIN」として一瞬復刻されました。

山の本 (白山書房)

山の本 -白山書房-
創刊号:1992年5月号。

山の本 創刊号

ビジュアル全盛、オートキャンプ全盛の中で創刊された、モノクロで殆ど文字だけでできた「山歩きの読本」。

紀行、エッセイ、座談、紀行ガイドで構成され、山と山歩きの話題だけに絞られた潔さで、定着した読者層が多そうである。

巻末の執筆者紹介では、有名人も無名の人も常連も同列に扱われ、いかにも読者がそのまま参加して作られる本という感じで、 山と文章に関する、開かれた同人誌といった趣である。

「新ハイキング」にも似ているが、もっと幅広い内容にして総合的に開かれた味のある本だ。

ネット全盛になってから「ヤマレコ」をはじめ、山行記録のWEB媒体はたいへん多く存在するが、今となっては紙+文字媒体でこれをやるというのは逆にとてもハードルが高いだろうと思われる。

この路線を守り続ける限り、きっといつまでも続く雑誌であろう。

GOODY (ベネッセ)

Goody(グッディー) -ベネッセ-
創刊号:1996年5月号。

グッディ創刊号

Tepeeに遅れること1年後、あのベネッセ・コーポレーションが創刊したアウトドア誌。

創刊発表プロモーションを赤坂プリンスホテルで大々的に行ない、創刊からいきなりビーパルを上回る発行部数でぶつけるという、ものすごい販売戦略だったが、やはりビーパルにはかなわかった。

創刊編集長の駒崎さんは、家族で世界一周をしたヨットマンで、温厚ないい方でした。

ベネッセらしく、読者サポーターによる情報レポートなどを企画したり、独自のグッズの通信販売をやったり、ホームページでも読者との情報交換をしたり、そういった面では他社のまねできない独自性を出しつつあった。
他誌との差別化のためか、「アウトドア」という言葉使わず、「オープンエア・マガジン」と言っていた。

しかし、ちょっと大衆向けを意識しすぎてコアな情報が足りなかったような気がする。

1997年7月号から編集長が変わり、首都圏にターゲットを絞った情報誌としてリニューアル。
だが、これも結局無期休刊となった。

GOODY リニューアル版 もはやアウトドア誌ではない

Tepee (集英社)

Tepee(ティピー)  -集英社-
創刊号:1995年5月号。

Tepee 創刊号

雑誌に強い集英社がビーパルに対抗して作ったような総合アウトドア誌だが、この路線はすでにビーパルが牙城を築いているし、 なかなか独自性を出すのは難しいところだ。
そのかわり、うまくまとめればそこそこのものはできるわけだが・・・

この創刊号はとりあえずビジュアルも多用し、グッズのカタログページも作り、野田知佑氏の対談を起用し、イヴォン・シュイナード氏からのメッセージなど、内容も盛りだくさんでさすが大手なのだが、何となくまとまりが良すぎて 個人的にはあまり買いたいという気は起きなかった。

それでもしばらく後の号では、かなり本も厚くなって情報量も増え、ビーパルやアウトドアとは感じの違う誌面作りで、 モノ志向の部分やいろんな方向で厚みが増し、独自のスタイルが出来上がってきたという感じだったのだが。

インターネットHPも当時としてけっこう充実してたし、それなりに安定していたようだったが、結局廃刊になってしまった。