Hanriot HD.3

Hanriot HD.3

Hanriot HD.3

1918年フランス
単発・複座戦闘機。
全長:6.95m、全幅:9.0m、全備重量:1180kg
エンジン:Salmson 9Za 260HP、武装:7.7mm機関銃×4、
最高速度:192km/h
アンリオHD3アンリオ HD.3

強力なサルムソン(カントン・ウネ)エンジンをコンパクトな機体に搭載した複座の重戦闘機。
ヴィッカースとルイスの2連装機銃を2基搭載している。

300機が発注されたが、終戦までに75機だけが完成された。
一部はツインフロート付きの水上機HD.4のプロトタイプとされる予定だった。

また、夜間戦闘機としてのバージョンもテストされていたようである。

Hanriot HD.3 FRANCE

Hanriot HD2

Hanriot HD2

Hanriot HD2

アンリオ HD2

1917年フランス
単発・単座戦闘機(水上機)
全長:7.00m、全幅:8.51m、全備重量:700kg
エンジン:Clerget 9B 130HP、武装:7.7mm機関銃×2、
最高速度:182km/h

名機アンリオHD1をベースに造られた水上戦闘機。

戦艦パリの砲塔に造られたプラットフォームに装備された。
同調式のヴィッカース7.7mm機銃を2丁に強化している。

10機ほどがアメリカ海軍に購入され、再度陸上機に変えられたりしているが1機は戦艦ミシシッピーに試験配備された。

Hanriot HD2 France

Hanriot HD1

Hanriot HD1

Hanriot HD1

アンリオ HD1

1916年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.85m、全幅:8.7m、全備重量:605kg
エンジン:ル・ローヌ 120HP、武装:7.7mm機関銃×1
最高速度:184km/h

小型・軽快で運動性能・操縦性が高い機体で、大戦中期の主力機のひとつ。

ベルギーとイタリアにも多く供給され、とくにイタリアでは大戦中を通じてスタンダードな戦闘機として用いられた。
上翼にだけ上反角がついているのが特徴的。

Hanriot HD1 France

Ponnier M1

Ponnier M1

Ponnier M1

ポニエ M1

1915年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.75m、全幅:6.18m、全備重量:464kg
エンジン:ル・ローヌ9C 80HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:167km/h

ニューポールの一葉半の主翼を同型複葉に置き換えたようなスタイル。
20機ほど生産されたが、大半はベルギーに供給されたという。

実際に使われた期間も短かったようで、あまり知られていない機種といえる。

Ponnier M1 France

Breguet Br14

Breguet Br14

Breguet Br14

ブレゲー Br14

1917年フランス
単発・複座偵察・爆撃機。
全長:8.87m、全幅:14.36m、全備重量:1765kg
エンジン:Renault 12 300HP、武装:7.7mm機関銃×2-3、爆装:300kg
最高速度:184km/h

フランスはもとより、第一次大戦を代表する軽爆撃機の代表機種。

アルミ合金使用のパイオニア機種でもあり、頑丈で扱いやすいということで大量に長く生産され続けた。
最終的には、何と1926年まで作られ、生産総数8000機を越えている。
バリエーションも多く、傷病兵搬送機や夜間爆撃機などもあり、戦後は民間輸送や郵便機としても活躍している。

いかにも頑丈そうなボディー側面についた観測窓の位置は写真によっていろいろあるようだ。

BREGUET Br14 France

Voisin 5

Voisin 5

Voisin 5

ヴォアザン 5

1915年フランス
単発・複座軽爆撃・攻撃機。
全長:9.53m、全幅:14.75m、全備重量:1140kg
エンジン:Salmson 9 150HP、
武装:7.7mm機関銃×1、または37mm Canon×1
最高速度:105km/h

大戦開始前から存在する、いわば航空黎明期からの機体を実戦に投入したモデル。

いかにも旧式だが大戦初期には偵察・地上攻撃にかなり活躍した。
推進式で前方視界に優れている点を生かして、37mmの機関砲を備えたモデルも有名。

流石に戦闘機が発達した後期には前線から退いた。
まるで乳母車のような4輪式が特徴的。

Voisin 5 France

SALMSON 2A

SALMSON 2A

SALMSON 2A

サルムソン 2A

1917年フランス
単発・複座偵察・爆撃機。
全長:8.5m、全幅:11.8m、全備重量:1290kg
エンジン:Salmson 9Za 230HP、武装:7.7mm機銃2~3
最高速度:188 km/h

大戦後半の主力偵察・爆撃機で優秀な機体。

延べ3200機以上も生産され700機以上がアメリカに送り出されている。
日本やペルー、ロシア他ヨーロッパ各国でも第一次大戦後、大戦間にも配備されている。

WW2のフォッケウルフDシリーズのような長鼻は、一見空冷のようだが液冷式の星型エンジンで、200~260HPぐらいのバリエーションがある。

いかにも大きくて重そうな機体だがこの種の中では軽快な運動性も持っていたようだ。

SALMSON 2A France

Farman F40P

Farman F40P

Farman F40P

ファルマン F40P

1916年フランス
単発・複座偵察機。
全長:9.25m、全幅:17.67m、全備重量:1123kg
エンジン:ルノー 130HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:149km/h

大戦初期のフランスの代表的偵察機だが、日本で初めて飛んだあのアンリ・ファルマンに近い機体レイアウトをもつ古典的デザインである。
この機体の設計にはアンリ・ファルマンとモーリス・ファルマンの兄弟合作であたっている。

性能的にも最高速149km/hで1000m上昇時間15分と古典的だ。
ただ、これが1916年で、そのたった2-3年後にはニューポール29やスパッド13などの高速・高性能機が出てくるのだから、このころの航空機の 発達速度には驚くべきものがある。

実際の戦闘シーンでも新鋭機が投入されるたびに制空権の勢力分布が変わる時代でもあったようだ。

Farman F40P FRANCE

Morane-Saulnier AF

Morane-Saulnier AF

Morane-Saulnier AF

モラン・ソルニエ AF

1917年 フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.15m、全幅:7.47m、全備重量:649kg
エンジン:Gnome Monosoupape 9Nb 150HP
武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:207km/h

このメーカーとしては珍しい、初の複葉戦闘機。
(BBが複葉だが、あちらは偵察機)

性能的にはかなり高く操縦性も優れていたようだが、すでに採用されていたスパッドとあまり変わりないということで生産には至らなかった。

Morane-Saulnier AF France

Morane-Saulnier BB

Morane-Saulnier BB

Morane-Saulnier BB

モラン・ソルニエ BB

1915年フランス
単発・複座偵察機。
全長:7.0m、全幅:8.65m、全備重量:750kg
エンジン:Le Rhone 80hp、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:147km/h

たいへん小ぶりな機体の複座偵察機。
後部座席の高い位置にルイス機銃を装備している。

英国向けに少数が生産されただけの模様。
N型「ブレット」と同様、特徴的な大型スピナーが目立つ。

Morane-Saulnier BB France

Morane-Saulnier AI

Morane-Saulnier AI

Morane-Saulnier AI

モラーン・ソルニエ AI

1917年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.65m、全幅:8.51m、全備重量:598kg
エンジン:ノーム 9N 160HP、武装:7.7mm機関銃×1~2、
最高速度:208km/h

大きな支柱をもったパラソル翼の大戦後期の戦闘機。

同じパラソル翼でも初期のモデルPなどと違いワイヤー吊り下げ式ではない。
とはいえ、翼は構造的に丈夫ではなかったようである。

また、エンジンの信頼性があまり高くなかったようで、1200機も作られた割には戦績はスパッドなどには及ばなかったようだ。

搭載機銃1丁のモデルと2丁のモデル、それに練習機モデルがある。

Morane-Saulnier AI France

Morane-Saulnier P

Morane-Saulnier P

Morane-Saulnier P

モラーン・ソルニエ P

1914年フランス
単発・複座偵察機。
全長:?m、全幅:11.2m、全備重量:732kg
エンジン:ルローヌ 110HP、武装:7.7mm機関銃×1~2、
最高速度:156km/h

有名なパラソル翼のタイプLの発展型で、エンジンも強化されて高速になっている。

オーソドックスなパラソル翼のタイプの他に、翼を胴体上面にまで下げたタイプ、単座戦闘機のバージョンなど各種モデルがあるようだ。
だが生産数はあまり多くはない。

全体の形はL型と似ているが、Lが角型胴体なのに対してこちらは円筒形ボディ。

Morane-Saulnier P France

Morane-Saulnier N

Morane-Saulnier N

Morane-Saulnier N

モラーン・ソルニエ N

1914年フランス
単発・単座戦闘機。
全長:5.83m、全幅:8.15m、全備重量:444kg
エンジン:ルローヌ 80HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:144km/h

中翼で流線型のN型は、フランスで初めて最初から戦闘機として作られた機体である。

大きなプロペラスピナーをもち流線型の胴体のため、「ブレット」というニックネームで呼ばれた。
同調式でない機首機銃を搭載し、もちろんプロペラにはメタル・デフレクターを備えている。

操縦性はかなり難しかったようで、そのためか生産数は少ない。

Morane-Saulnier N France

Morane-Saulnier L

Morane-Saulnier L

Morane-Saulnier L

モラーン・ソルニエ L

1913年フランス
単発・複座戦闘機。
全長:6.88m、全幅:11.2m、全備重量:655kg
エンジン:ノーム 80HP、武装:7.7mm機関銃×1、
最高速度:115km/h

パラソル翼の軽快な偵察機が基になっているが、大戦最初期には戦闘機として伝説的な活躍をした。

初めてプロペラ回転圏内からの機銃発射を行なったことで有名。

フランス軍のローラン=ギャロがプロペラの銃弾通過位置にクサビ状の鉄板を付け、銃弾が当たっても跳ね飛ばすように考案したのである。
この乱暴ではあるが画期的な発明で機銃の命中率は高まり、また操縦手の手の届くところで銃弾補給ができるメリットで多くの敵機撃墜を勝ち取った。

とはいうものの、操縦士や自分のエンジンなどに跳ね返ってきたらどうするんだろう?
それに、そのくらいでプロペラが無事なくらいであるから、機銃の破壊力も今から思えばまだのどかだったんだろう。

だが、ある日敵弾を受け敵地に不時着してしまい、この秘密はドイツ軍に漏れてしまった。
ドイツ軍では早速真似してみたがなかなかうまくいかず、それがきっかけで世界初のプロペラ同調式機銃を発明することになる。

Morane-Saulnier L France

Hansa-Brandenburg CC

Hansa-Brandenburg CC

Hansa-Brandenburg CC

ハンザ-ブランデンブルグ CC

1916年オーストロ・ハンガリー帝国
単発・単座戦闘機。
全長:7.65m、全幅:9.3m、全備重量:1356kg
エンジン:Benz Bz III 150HP、武装:7.9mm機関銃×1、
最高速度:175km/h

エルンスト・ハインケル設計の推進式エンジンの戦闘飛行艇。

実際の生産はフェニックス社製で、独特のスパイダー・ストラット(星型支柱)を採用している。
ドイツ軍でも使われているが、オーストリア海軍ではアドリア海でイタリア軍と戦った。

アニメ「紅の豚」にも出てくる。

Hansa-Brandenburg CC Austro-Hungarian Empire

Hansa-Brandenburg D1

Hansa-Brandenburg D1

Hansa-Brandenburg D1

ハンザ-ブランデンブルグ D1

1916年オーストロ・ハンガリー帝国
単発・単座戦闘機
全長:6.35m、全幅:8.51m、全備重量:917kg
エンジン:Austro-Daimler 160HP、
最高速度:187km/h、武装:8mm機銃×1

エルンスト・ハインケルによる設計の、オーストロ・ハンガリー帝国制式戦闘機。

最大の特徴は、「Vストラット・システム」という、V型を組み合わせたような独特の翼間支柱で、「スパイダー」とあだ名された。
翼間の張り線が無いのは良いが、かえって抵抗が大きそうな感じではある。

この方式はハインケルの得意わざだったらしく、ブランデンブルグ水上機にも使った支柱である。
ただし、どちらも後に普通のタイプに変更されているので、凝っていた割にはメリットは無かったのだろう。

Hansa-Brandenburg D.I Austro-Hungarian Empire

Ufag C1

Ufag C1

Ufag C1

ウファク C1

1918年オーストロ・ハンガリー帝国
単発・複座偵察機
全長:7.41m、全幅:9.5m、全備重量:1150kg
エンジン:Hiero 230HP、
最高速度:190km/h、武装:8mm機銃×2-3

ブランデンブルグC2からの発展形で、同系列のフェニックスC1とは兄弟モデルともいえる。

フェニックスが高高度に優れていたとされるのに対し、ウファクは低高度の戦術偵察に活躍した。
いずれもこの頃のオーストリア機らしく、合板の重厚なボディーと低く小さな垂直尾翼が特徴的。

終戦まで活躍し、終戦後もルーマニアなどで使われていたという。

Ufag C.I Austro-Hungarian Empire

Oeffag Dr.1

Oeffag Dr.1

Oeffag Dr.1

ウファク Dr.1

1918年オーストロ・ハンガリアン帝国
単発・単座戦闘機。
全長:6.40m、全幅:8.40m、全備重量:970kg
エンジン:Austro-Daimler 200HP、武装:8mm機銃×2
最高速度:?

アヴィアティック系木製ボディー機種の変形モデル。
強力なエンジンの割には鈍重で、この時期にはすでに時代遅れとなっていたのではないか。
試作1機のみ。

Oeffag Dr.1 Austro-Hungarian Empire

Lohner Dr.1

Lohner Dr.1

Lohner Dr.1

ローナー Dr.1

1917年オーストロ・ハンガリアン帝国
単発・単座戦闘機。
全長:6.35m、全幅:8.80m、全備重量:926kg
エンジン:Austro-Daimler 185HP、武装:?
最高速度:178km/h

これまた、一連のオーストリア機らしい、木製の深いボディーの三葉機である。
同型の複葉機から試作されたモデルらしいが1機のみの製作で、採用されていない。
このへんの機種はみな、ハンザ・ブランデンブルグやアヴィアティックの変形モデルなのでどれも同じような感じである。

Lohner Dr.I Austro-Hungarian Empire

W.K.F. 80.05

W.K.F. 80.05

W.K.F. 80.05

W.K.F. 80.05

1917年オーストロ・ハンガリアン帝国
単発・単座戦闘機。
全長:6.02m、全幅:8.00m、全備重量:935kg
エンジン:Austro-Daimler 200HP、武装:8mm機関銃×2、
最高速度:200km/h

木製合板モノコックのオーストリアの三葉機。

この、W.K.F.(Wiener Karroserie Fabrik)という会社はロイドの機体の下請けらしい。

いかにもオーストリアらしいボディデザインだが、コックピットからの視界がたいへん悪いため採用されなかったらしい。
試作1機のみの生産で数回試験飛行しただけのようだ。

W.K.F. 80.05 Austro-Hungarian Empire

Phonix C1

Phonix C1

Phonix C1

フェニックス C1

1918年 オーストロ・ハンガリー帝国
単発・複座偵察機。
全長:7.52m、全幅:11.0m、全備重量:1105kg
エンジン:Hiero 230HP、武装:8mm機関銃×2、
最高速度:177km/h

一連のオーストリア機らしい鈍重そうに見えるデザインで、1918年にしては古臭い感じがしてしまう。
しかし、100機以上も生産され、戦後になってもスウェーデンで30機以上造られ1920年代まで使われていたという。

これらの木製胴体はすごく太く見えるが、実はたてに深いわりに幅が薄く、視界が良いように作られている。
ボディーがたてに薄く方向安定性が良いので垂直安定板が無くてラダーのみの独自のデザインになっている。

Phonix C.I Austro-Hungarian Empire

Phonix D3

Phonix D3

Phonix D3

フェニックス D3

1918年オーストロ・ハンガリー帝国
単発・単座戦闘機
全長:6.62m、全幅:9.8m、全備重量:951kg
エンジン:Hiero 230HP、
最高速度:188km/h、武装:8mm機銃×2

フェニックスD1を改良したD2の更なる改良版で、上下主翼にエルロンを装備して運動性を上げ、エンジンもパワーアップしている。
だが敗戦に間に合わず、生産された機体はオーストリア空軍には渡らなかった。

終戦後スウェーデン空軍によって買われたということである。

Phonix D.III Austro-Hungarian Empire

Phonix D1

Phonix D1

Phonix D1

フェニックス D1

1917年オーストロ・ハンガリー帝国
単発・単座戦闘機
全長:6.75m、全幅:9.8m、全備重量:951kg
エンジン:Hiero 200HP、
最高速度:180km/h、武装:8mm機銃×2

「棺桶」とまで言われて不評だった、ハンザ・ブランデンブルグD1の下請けをしていたフェニックス社が開発した改良機種。

主翼、エンジン、ラジエーターなどを改良して、もちろん主翼の「クモ」支柱もやめている。
合板の胴体はほぼ同じような作りで、頑丈な高速機だったようである。

ただし、見かけのとおり、機敏な運動性はあまりなかったようだ。

Phonix D.I Austro-Hungarian Empire

Aviatik D2

Aviatik D2

Aviatik D2

アヴィアティックD2

1917年 オーストロ・ハンガリー帝国
単発・単座戦闘機。
全長:6.98m、全幅:7.50m、全備重量:810kg
エンジン:Hiero 200HP、武装:8mm機関銃×2、
最高速度:210km/h

試作機ではD1の胴体を使用して造られたD2は、写真では判りにくいが支柱が上翼だけに付いていて、下翼は短い片持ちのタイプ。
翼間支柱は無く、ちょうど、パラソル翼の機体に下翼をおまけに付けたようなかたちになっている。
プロペラは4枚ブレード。

1918から量産される予定だったが、フォッカーD7のライセンス生産が決まったため、量産計画は無くなったようだ。

Aviatik D.II Austro-Hungarian Empire