日本の里山の春の情景にはスミレがつきものですが、「スミレ(菫)」という名のスミレは一種類。
その他全てを含めたスミレ科は、日本に約50種類ほどあると言われています。
「スミレ」という名のスミレは道端やあぜ道、土手のような人里に咲き、その名の通りスミレ類の代表ですが、実際には意外とそんなに見られないもので、日本でもっとも広範囲に多く生育してどこでも見られるものといえば「タチツボスミレ(立壺菫)」です。
街中から1000mクラスの山中まで、薄い青紫のスミレを見たら「タチツボスミレ」と言っておけば、半分以上は当たりかもしれません。
そんな里山のイメージが強く、実際にも低山地帯に多いスミレ類ですが、中には高い山に生育する種類もいろいろあります。
また、海岸性の種類や地域性の強い変種など多くの種類があり、日本では山野草ファンの中にすみれマニアが多く、それ故かちょっと細かすぎるのではないかと思うほどの分類が進んでいるジャンルです。