ムニンノボタン

ムニンノボタン (ノボタン科ノボタン属)【無人野牡丹】
Melastoma tetramerum

ムニンノボタン

2019/08/14 神代植物公園(温室植栽)

4弁の白い花を咲かせる小笠原諸島の父島の固有種で、極めて少数しか残っておらず、一時は最後の一株となっていました。

植物園などで人為増殖して植え戻す事業が行われ、これにより近年徐々に増加してきました。

また、近年別の個体群が発見されたようですが、5弁のものやピンクがかったものが多いなど、微妙に異なる種類のようでもあります。

島嶼生物の常として、たいへん小さな個体群で分化が進んでいるようで、母島には別種の「ハハジマノボタン」、北硫黄島には「イオウノボタン」があります。

環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠA類(CR)

ムニンノボタン

2019/08/14 神代植物公園(温室植栽)

ムニンノボタン

2019/08/14 神代植物公園(温室植栽)


以下、環境省レッドデータブック図鑑より引用

ムニンノボタンは東京都小笠原諸島の父島の固有種です。
戦前には小笠原諸島兄島に生育していた記録がありますが、現在は確認されていません。

戦後の調査では父島において3株確認がされましたが、道路工事の影響などによって枯死し、現存する株は1株だけとなりました。
その後、1983年から、東京大学付属植物園と東京都小笠原支庁が中心となり、保護増殖事業が続けられました。
その甲斐あって、増殖された「最後の1株」は自生地付近などに植え戻され、今では相当数が順調に自生地で生育しています。
また、10年程前には、父島で新たな自生地が発見され、40株ほどが見つかりました。

疎林内で、乾季にも土壌の水分が保たれるような環境で生育します。
ムニンノボタンは、高さ1mほどの常緑低木で、幹や古い枝を除き全体が褐色の毛で覆われます。
葉は長さ3~8cmで、3本の脈が目立ち、両面に剛毛をまばらにつけます。花期は7月から8月頃で、4枚の花弁を持つ白い花を次々につけます。
これまでも、まれに5弁花のものが見つかっていましたが、新たに発見された自生地ではこの5弁花の発生率が高く、花の色もややピンクがかるようです。

近縁種には、母島のハハジマノボタン、北硫黄島のイオウノボタンがあり、それぞれ固有種として知られています。
海洋島である小笠原諸島では島独自の種分化が進んだ結果、多くの固有種が見られます。
自生する維管束植物300種あまりのうち、約40%が固有種とされています。
絶海の孤島で、小さな島の環境に独自に適応してきたこのような植物は環境の変化にも脆弱であり、固有種の多くがレッドデータブックに記載されています。