いずれアヤメかカキツバタ?

北山公園 菖蒲園

東村山・北山公園 菖蒲園 (6月)

「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉は子供のころから知っていたが、アヤメやショウブはみんな似たようなものと思っていた。

東村山市の名所となっている、北山公園の花菖蒲園は、狭山丘陵の末端である八国山の南麓の水田跡に造られていて、季節になると遠くから観光ツアーで見物に来る人もいるようだ。

市の広報によると、220種類8千株10万本というというから、都内にいくつかある花菖蒲園の中でもかなりな規模である。

さて、ここに植えられているのは「ハナショウブ」か「カキツバタ」で、「アヤメ」は、このような水田のようなところにはなく、陸上に生えるものだそうである。
では、いわゆる「菖蒲湯」の「ショウブ」は?というと、菖蒲は花菖蒲とは全く別の植物である。と、調べてはじめて知った。

つまり、「ハナショウブ」も「カキツバタ」も「アヤメ」も、アヤメ科アヤメ属で、これらは同じようなものである。

しかし、「ショウブ」は、サトイモ科の植物で花も全く違う目立たないものである。
もし仮に、北山公園の花菖蒲の葉っぱを盗んでいって風呂に入れても「ショウブ湯」にはならないのである。

「カキツバタ」は「ハナショウブ」のマイナー版のようなものらしい。
在原業平の有名な歌、「から衣 きつつなれにしつましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」に詠み込まれているということしか大きなトピックスは無い。

ところが、さらに訳の判らない記述を発見。

・古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブを指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
・古くは現在のアヤメ科のアヤメではなく、ショウブを指して「あやめ」と呼んでいた。

つまり、昔の人も「アヤメ」のたぐいと「ショウブ」をかなりごちゃごちゃにしていたらしいのだ。

あー、ややこしい。

観光客でにぎわう菖蒲園(6月)

観光客でにぎわう菖蒲園(6月)

ちなみに、これら、「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」の花を簡単に見分ける方法がある。
品種も多いので例外もあるのだろうが、おおむね花の付け根部分にある斑紋で見分けられるという。

すなわち、
「アヤメ」はその名の由来する「文目模様」といわれる網目の柄になっている。
「ハナショウブ」は、この部分が無地の黄色い紋になっている。
「カキツバタ」は、この部分が無地の白い紋になっている。

前述のように、「アヤメ」は生える場所が陸上であるから、覚えておけばすぐ判る。
だが、あとの二種は場合によっては明確な区別が難しいかも。

「いずれがハナショウブかカキツバタ」

ハナショウブ

ハナショウブ

これはハナショウブ。
花のつけねが黄色い。

ハナショウブ

ハナショウブ

これもハナショウブ。

カキツバタ

カキツバタ

これはカキツバタ。
花のつけねが白色。

アヤメ

アヤメ

これはアヤメ。
花のつけねが網目模様。生えてるのが陸上。


ハナショウブ、アヤメ、カキツバタを、花で見分ける方法を述べましたが、今回は葉の写真を入手しましたので、葉の違いを見てみたいと思います。

花が咲いていなくても、または花の色や柄によって見分けが難しい場合に、葉によって見分ける方法があります。

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遠めには、ハナショウブ、アヤメ、カキツバタ、そしてショウブは、どれも似たような葉でぱっと見にはまず判りません。
しかし、手にとってその表面を見ると、若干違いがあるのです。
それは、細長い葉の中心に盛り上がる主脈があるかないかということです。

すなわち、ハナショウブ=主脈がはっきりある。アヤメ=主脈が少し出ている。カキツバタ=主脈が無い。ショウブ=主脈がはっきりある。

アヤメは陸生であるから、同じ湿地中にあって一番わかり難いハナショウブとカキツバタの違いは葉の主脈の有無で判るというわけです。

ただ、ハナショウブとショウブ(サトイモ科)は、葉がそっくりだから同じ名前になったわけですから、もし同じような場所に生えて花がないときだったら、見分けが難しいでしょうね。

ハナショウブの葉 主脈がはっきり入っている

ハナショウブの葉
主脈がはっきり入っている

アヤメの葉 主脈はあるが盛り上がりがすくない

アヤメの葉
主脈はあるが盛り上がりがすくない

カキツバタの葉 主脈がなく平たい

カキツバタの葉
主脈がなく平たい

ショウブの葉(菖蒲湯のショウブ) 主脈がはっきり有る

サトイモ科ショウブの葉(菖蒲湯のショウブ)
主脈がはっきり有る


6月の花菖蒲園

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