所沢航空発祥記念館

埼玉県所沢市並木1丁目 所沢航空記念公園内
TEL:042-996-2225
URL:http://tam-web.jsf.or.jp/


埼玉県・所沢は日本における航空発祥の地ということで、「航空記念公園」があり、その一角に「所沢航空発祥記念館」がある。
ここには日本の航空黎明期の歴史展示や飛行機の物理基礎から航空管制の紹介まで、こじんまりした館内にいろいろな展示があるが、 もちろん航空ファンに見逃せない実機展示もいくつかある。
その中にクラシックファン必見のニューポール複葉機のレプリカが展示してある。
レプリカとはいえ、実機をなかなか見る機会のない複葉機の感じをつかむには最適である。
また、もっと古い飛行機に興味のある方には、かの徳川大尉の飛行で有名な、会式1号機のレプリカも展示してある。

会式1号機

日本で初めて徳川大尉によって飛行に成功した、「会式1号機」のレプリカ。
フランスのアンリ・ファルマンのコピーだが、いくつかオリジナルに改良を加えてある。
最初期の飛行機の原始的なメカニズムがよく判る。
WW1の初期においても、この流れをくむファルマンや英国推進式機体が活躍していたわけだから、古いといっても決して隔絶というほどの差はないのである。
エンジン・プロペラ回りがいかにも非力そうで、その割りに機体が複雑で重そうだ。
また、いかに多くの張り線ワイヤーで支えられていたかが見て取れる。
会式1号機


ニューポール 81E2

埼玉県出身の操縦士 岩田正夫氏が当時のフランスから個人輸入したという複葉機で、もちろん戦闘機ではないが、WW1のニューポール戦闘機とほぼ同じシリーズなので各部の様子がよく判る。
展示されている機体はレプリカだが、ほんものの実機のエンジンとプロペラ、エンジンマウントが展示されている。

また、常時展示はされていないが、この博物館には、フォッカーD7とスパッドS13のレプリカも所蔵されているようである。
特別展などのイベント時には限定的に公開されるようだ。

クリックすると拡大画像あり ル・ローヌ 80HPエンジン(実物)

9気筒、空冷回転星型エンジンの実物。
鉄製の空冷フィンの感じや、点火プラグの取り付け位置など、間近に見ると良く判る。
回転式(ロータリー)エンジンだから、エンジンマウントにエンジンは固定されてなく、エンジンのシャフトが固定されている。
いつも思うが、こんなシリンダーヘッドの塊りがぶんぶん回るのだからたいしたものである。
なぜこの手の星型エンジンがみんな9気筒とか7気筒とか奇数なのかを詳しく知りたい方は、こちらの解説ページがお薦め。

WarBirds」の中の参考資料ページ、 「星型エンジンの構造」。

素晴らしい図面画像を使って詳しく解説されています。
クリックすると拡大画像あり

ル・ローヌ 80HPエンジン(レプリカ)

こちらはOHVのカムシャフトの具合や排気管などの配置が判る。
半円状のカウルが、回転するシリンダーの保護と冷却の両立のためであることが実感できる。


拡大画像があります 水平尾翼(レプリカ)

水平尾翼の昇降舵を動かす構造はワイヤーで引くやりかたで、ラジコンなどの模型飛行機と全く同じ仕掛けである。
また、尾そりは単なる角材である
拡大画像あります

尾翼部分(レプリカ)

垂直尾翼は垂直安定板の無い、「オールフライング」で、全部が方向舵として動く方式。
枠に帆布を張った構造であることがよく判る。


拡大画像があります 機体前部(レプリカ)

胴体は合板の箱で、操縦席に乗り込むためのステップがついている。
下翼が上翼よりもかなり小さい、いわゆる「一葉半」の機体である。
ニューポール 81E2


クリックすると拡大画像あり おまけ・「飛燕」のエンジン

展示のなかには、飛行機のエンジンもいくつかあり、イスパノスイザとかマーリンとか飾ってあるが、別のところに寄贈品として「飛燕」のエンジンがあった。
ダイムラー・ベンツを国産化した「ハ-40」というやつだろうか。
ということは、メッサーシュミットBf109の初期のエンジンと同じものでもある。
国産化されたこのエンジンは不調続きで活躍できなかったが、日本でのクランクシャフトの工作技術の未熟さのせいだったようだ。
V型12気筒、OHCの感じがよく判る。実際には倒立型だからこの展示は判り易いように逆さまなのだろう。